エッセイ
バスのダイヤ時刻の変更が行われてから、少しの余裕を持って通勤できるようになった。 いつもはバスから降りて急ぎ足で降りていた階段も、今では下る前に改めて空気を吸ってみたりできる。鼻を通る緑の風が気持ち良い。
大体の身体感覚はライブのようなもので、脳のメモリに文字となって変換された記憶は残せるが、その感覚自体の記憶というものはなかなか思い出せない。
酢、柑橘、山椒、そして唐辛子。 これらの刺激なくして、「食」を愉しむことはできない。 一体その魅力が何であるのかを考えてみると、もはやそれは味覚ではないことに気づく。
あねさんは仕事中にはあねさんになる。 とはいっても、365日のうちの360日くらいはあねさんだし、しかも24時間のうちの14時間の間はあねさんになる。
この数日間、自分の発する言葉や、目に入る文字などを意識的に見ていると、案外好みがあることに気づく。 例えば、先週の大学の授業内で述べた「脛」について。いや、脛に限った話ではなく、「頸」も然り。とにかく、身体の部位を表す文字で、このひらがなの…